個別指導・個人指導

コラム COLUMN



「小5の壁」

「先生、男子が掃除をしません!」

「サメの選択、ヒトの選択」

「美しき誤解」

“三単現のs”で撃沈する中1男子

「天下無敵の小4男子」

「小5の壁」


小学校生活において4年生は3年生の続きですが、5年生は4年生の続きではなく、その間には高い壁があるといえます。小5になると「高学年」として、自分の行動を律するだけでなく、下級生の世話をすることも期待されます(その自覚を促すためか「2分の1成人式」を行う学校が増えてきました)。学習面も急に難しくなります。

まず、算数。6分の3は、2分の1と等価値でも、正解となりません。「kgで答えなさい」と問われているのに「g」と答えた場合も同様。どうすれば問に合うのかを情報を分析して判断しなければなりません。文章題はもっと顕著です。解答の指針を自分で決めなければ、正解にたどりつけません。

これをひまわり畑での迷路に例えてみましょう。低学年では出口が見えるところまで教師が手を引いてくれたのが、学年が上がるにつれて手を離す位置が手前になります。そして、ついには入口から自力で進むことが求めれるようになるのです。

国語でも同様です。「書き抜きなさい」と「説明しなさい」とでは対応が異なります。そんな形式面はもちろん、内容も出題意図にヒットしないと正解になりません。「最も適するものを選びなさい」という問題では「それもありうる」という選択肢は排除されます。

このように、規範が「正しいか」から「合っているか」にシフトするのですから、逐次変化する要求に対応する判断力を鍛えておく必要があります。

この対応力・判断力を伸ばすにはどうしたらよいでしょうか。まず、家庭内の対話を重視するのがポイントとなるでしょう。「忙しい時に限って話しかけてくるんだから。もう」と邪険にせず、しっかり目線を合わせて話をしましょう。また、単独行動の機会を増やすと、判断力が向上します。さらには、ゲームも役立ちます。将棋、オセロ、トランプのスピード……など局面が変わる対戦型がオススメ。

「先生、男子が掃除をしません!」


男子にありがちな傾向として、労働意欲・学習意欲にムラがあることを挙げることができます。これには歴史的な背景があるようです。

太古の時代、狩りは男の役目でした。狩猟は命がけです。獲物は必死に抵抗するでしょうし、他の肉食獣に捕食されるおそれもあります。だから、大きな獲物を持ち帰った際には称えられ、報酬が与えられた。その一つが休息だったでしょう。また、疲れや傷を癒す意味もあったでしょうし、保存方法がない時代には消費しきれないほど食糧が集まってもムダになるので、足りているうちは休みが許されたでしょう。

このような時間的なムラだけでなく、対象にもムラが生じることがあります。興味のないものには見向きもしないというのも男子にありがちな傾向ですが、これも歴史に照らせば説明がつきます。群全体が一つの獲物に依存していると、それが獲れなくなった場合に一族が存亡の危機に陥ります。それを防ぐため、リスク管理として、「担当」に分かれていたと推測できます。獣、魚、鳥…それぞれ関心があるものに特化したスペシャリストになったのです。

狩猟と無縁の現代社会では、男女の差異は不合理にも思えるかもしれません。しかし、何せ200万年もの長きにわたって狩猟生活を送ってきたのですから、解消されるにはもう少し時間がかかるのではないでしょうか。

「サメの選択、ヒトの選択」


自然界の頂点に君臨する人間。圧倒的に優位な地位を占めていますね。それを可能にしているのは、卓越した頭脳です。では、その端緒・きっかけは何だったのでしょうか。

それは、肉食を覚えたことと関連があるようです。想像するに、雷が落ちて森が焼けてしまった。本来の食べ物は焼失したものの、動物の焼死体が転がっている。生きるためにしかたなく食したところ、意外にうまい。しかも腹もちがいい。そこで、積極的に肉を食べることにしました。
しかし、肉食獣と異なり、鋭い爪・牙、俊敏な脚力…といった武器を持ち合わせていません。そこでサメのような肉体改造の道を選んでもよかったのですが、そうしなかった。

サメは頭蓋骨を持たないので、硬骨魚類に進化する前の下等な動物とみなされてきました。しかし、科学誌「ネイチャー」によると、サメより古い時代の魚の化石が発見されたことでサメは一旦取得した頭蓋骨を捨てたといえるとか(Nature. 2013 Oct 10)。
思うに、大きな獲物をしとめるのに口を大きく開けたい、獲物を捕まえるのに速く泳げるよう抵抗を減らしたい…と彼らは願ったのでしょう。このような食糧確保の欲求を満たすべく、自分の意思で頭蓋骨を捨てあの独特な姿になった……と想像できます。もちろん、何世代も何万年も経てのことですが。
ですから人間だって、なろうと思えば、狼男のように野獣化することもできたはず。しかし、肉体改造の道は選ばず、代わりに知恵を結集することで食糧を確保する道を選んだ。すなわち、道具を作って体力を補う、共同で獲物をしとめる……などです。

なお、国立科学博物館によると、人類の進化の歴史はなだらかではなく、200万年前を境に脳が急激に発達したとか。これは肉食を覚えた時期と重なるそうです。ですから、人間も脳のパワーアップという肉体改造を行ったといえるかもしれません。

「美しき誤解」


十代も後半になると世の中が見えてきますが、見えるのは一部なので、美化・過大評価しがちです(スポーツ選手などをアイドル視することに表れます)。受験シーンでもいくつか誤解が見られます。

まず、現代文の成績が悪いと、自分の読解力が不足しているとする過小評価。これは誤解です。悪文だから読みにくいのです。読み易い文章だと皆が高得点になり得点分布に偏りが生じ、試験にはふさわしくないので、悪文が使われるのです。
どんなに優秀なライターでも、生原稿は使用に耐えない悪文。それを正すのが編集者です。最初の読者として読み易くするのが役目。ところが、編集者の力量が足りないと、悪文のまま世に出てしまうのです。
難解な文章の場合、筆者ではなく、出題者としっかり向き合えば解けるようになっています。

また、努力しているのに成績が伸びない場合、自己の能力が劣っていると、過小評価する場合も同様です。
原因が本人の外にある場合も少なくありません。教材、方法…が合っていないかもしれないのです。教科書、授業…はあくまでも暫定的な姿であり、全ての生徒に合っているわけではありません(現に教科書に不満を抱き独自の教科書を作ってしまった人もいます)。だから、行き詰ったら、他に活路を見い出せばよいのです。

最後は、天才でなければ名門校・難関校に合格できないという誤解。
たしかに、中には天才もいるでしょう。しかし、もし彼らが揃って天才ならばわが国がかかえる多くの難題は解決しているはずです。
ただ、彼らには共通点が見られます。それは思考にムダがなくシンプルなこと。言いかえると、科目・単元を好き嫌いのフィルターにかける、原則より例外にこだわる、完全に理解できないと先に進めない…そんなタイプの人たちの対極にあるのが彼らといえるでしょう。
受験を成功させるポイントは能力というより取り組み方なのです。

十代の自己評価は低くなりがちですが(あれこれコンプレックスに悩むのもこの頃)、それは他者を過大評価することの反動かもしれません。

“三単現のs”で撃沈する中1男子


能力があるのに英語を苦手とする受験生をカウンセリングすると、多くの場合“三人称単数現在のs”に行き着きます。中学1年生にとっては難易度が高いことに加えて、学習する時期がもたらす心理的要因も大きな影響を与えるようです。

1学期の英語は、お遊び的な要素が強く、単語は日用品ばかりで、習う文も簡単な挨拶のみ――。聡明な男子ほど価値判断を下すのが早い傾向がありますが、そうした授業内容に「英語は、ちょろいぜ」見切ってしまいます。それが、認識の甘さ、対応の遅れ…となってしまうのです。

夏休みの影響もあります。三単現のsは、2学期の初めに学習することが多いのですが、夏休みをはさむと学習意欲が低下する、学習習慣が崩れる…と弊害が生じます。夏休み明けのだらけた気分が緊張感の欠如につながります。

加えて、中学入試を経験した男子が危ない。合格者は、いつまでも祝勝ムードに浸り、そうでない者は、いつまでも未練をひきずり痛手から立ち直れない。

三単現のsは最初にして最大の波です。これを乗り越えないと、英語が苦手になってしまいます。英語に留まらず、他教科にも悪影響を与え、最悪の場合勉強嫌いになる恐れも。ですから、油断することなく、しっかり取り組みましょう。

「天下無敵の小4男子」


体の成長と精神の成長は一致するものではなく、乖離(かいり)が生じます。それが最大になるのが小学校4年生ではないでしょうか。無茶をして大きなケガをするのもこの時期に多いようです。

3年生は体力があまりないためかそんなに無茶をしません(できません)。一方、5年生になると、高学年の仲間入りして、下級生の世話をしなければなりませんから落ち着きが出てきます。分別がつき始めます。

男子は、狩猟担当だった歴史的背景もあって、女子よりも体を動かすことが大好きです。自己の限界を知らないから(知ろうとしない?)、映画・ドラマのヒーローの真似をしてケガをすることも珍しくありません。

私が心配するのは高さに対する警戒心が薄れていること。高層住宅が増えたためか、高さに対する恐怖心がなくなっています。小4男子が転落事故に遭ったというニュースを何度も聞いたことがあります(マンションの外廊下で鬼ごっこをするなど)。

惨劇が起こらぬようベランダ、外廊下…に踏み台になる物を置かないようにしましょう。


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